演劇大学inしまね2020 報告

演劇大学inしまね 
Stay homeでつながる新感覚のオンライン講座

開催日程:2020年10月2日(金)-10月4日(日)

開催形式:Zoomによるオンライン開催。
発信拠点を日本演出者協会(東京都)とYプロ演劇スタジオ(松江市)に設定。

講  師:
●戯曲ゼミナール:土田英生
●俳優のための戯曲理論と実践:シライケイタ
●戯曲を読み解く:宮田慶子
●インプロ講座:高尾隆
●声だけで表現してみよう:渡辺克己
●体で表現してみよう「自分の体、新発見!」:うえもとしほ
●演出家育成講座:扇田拓也、日澤雄介、平塚直隆

 演劇大学inしまねの実行委員会は、島根県内の各劇団の中心的なメンバー15人で結成しています。「演劇で地域を元気にしたい」「地方にいながらにして演劇を学ぶ場をつくりたい」と、立ち上がったチームです。第1回目は、2018年に開催し、西日本各地から延べ200名からの参加がありました。そして第2回目は、新型コロナの感染が拡がるなか、オンラインで開催しました。開催前には緊急事態宣言も発令され、メンバーが所属する劇団は軒並み公演が中止されたり延期されたりするような状況で、実行委員の意見もなかなかまとまりませんでした。対面なくして演劇が学べるのか、オンラインで人と人は繋がることができるのか……。見送りの文字がチラつくなか、あるZoom会議の場でメンバーからこんな言葉が出ました。
 「今、演劇が上演できないのは東京も島根も同じ。今こそ、いつも都会の周回遅れであった自分たちが都会と同じラインに立ち、新しい演劇の在り方を島根から発信できる時なのでは。」
 その言葉に、実行委員の気持ちがひとつにまとまり開催への希望が生まれました。何もしないでじっと待っていることはできない、こんな時だからこそできることをこの場所でやろうと、チームが動き始めたのです。

 決定から開催までの準備期間は約2か月。その間に講師の見直し、依頼、講座内容の打ち合せ、チラシ作成、参加者募集、拠点準備などの作業を急ピッチで行いました。オンラインでの開催は初めてのことばかり。協会からも手を差し伸べていただきながらの3日間でしたが、結果は盛況でした。

 全部の講座を合わせると延べ300名の参加者があり、遠くは沖縄、秋田、そしてシンガポールと、国内のみならず、オンラインで世界ともつながった演劇大学でした。会場に直接集まらなくても、受講者はそれぞれの環境にありながら学べることがわかりましたし、画面を通じて受講生同士の連帯感も生まれました。座談会やシンポジウムでは、地方の演劇、コロナ禍における演劇の在り方について意見を出し合い、励まし合うこともできました。収穫は思う以上に大きく、この辛い時代を乗り越える鋭気を養うことができた3日間になりました。

報告:山根み佳
(演劇大学inしまね 実行委員長)


▣ 演劇大学inしまね Stayhomeでつながる新感覚のオンライン講座


2020年度年間事業 一覧へ

一覧に戻る