演劇大学 IN大阪2020 報告

~OSAKAで繋がる演劇の輪~

開催日程:2021年2月26日(金)~2月28日(日)

開催場所:ドーンセンター

講  師:松本修、わかぎゑふ

 演劇大学IN大阪2020は大阪城の北西に隣接した大阪府男女共同参画・青少年センター(通称:ドーンセンター)で実施しました。
 コロナ禍であることから、わかぎゑふ講座はリモートで6チーム各2時間のインプロワークショップを実施し、最終日には6チームがお互いにお題に合わせたシーンを発表し、見合うことを行いました。参加者の多くの方が演劇ビギナーの方々で、今回は大阪弁を交えたフランクな講座を行い、台詞を語る俳優体験というよりは「人と会話することをまず楽しむ」ということに主眼を置いたワークショップでしたので皆さんはいきいきと講座を楽しんでいました。 演劇体験の入り口としては成果があった講座になりました。
 このようなコロナ禍の副産物としての新しい演劇講座の形は、かえって演劇に気軽に触れることができて、演劇愛好者の裾野を広げることに貢献していると思います。新たな人材育成の形として「リモート講座」は有効だと思います。
 わかぎ講座に対して松本講座はコロナ対策を十分に行い対面式で行いました。チェーホフ作品を題材に、初日は過去に上演された様々な団体の舞台映像記録を鑑賞し、その演技や演出を批評的に学習。そこに存在する翻訳劇を上演する際の「ある様式」や「日常会話と異なるある違和感」について松本氏が解説し、現在も続くそのキモチワルイ表現を反面教師にして、参加者たちは普通にある姿で会話し、相手を意識し、感じ合うワークショップとなりました。2日目以降は、「三人姉妹」から2課題、「かもめ」から3課題、合計5シーンを抜粋して実際のテキストを使用した演技トレーニングに移り、20人の受講者と助手が4人加わって全体を6グループに分け、それぞれの課題シーンの台詞をできる限り自分に近い形で話し、最終日にはグループごとに発表を行い、自然な会話として台詞を消化できているかを検証し、3日間の集中的ワークショップは終了しました。
 参加者たちにとっては短時間に台詞を記憶することが求められてなかなかハードなワークショップだったと思いますが、皆、充実感がある顔をしており、意見交換でも大変勉強になったという声が多かったです。
 以上。演劇大学IN大阪2020の報告です。

報告:木嶋茂雄
(演劇大学 IN大阪2020 実行委員長)



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