
飯沢匡:日本の戯曲研修部アーカイブ
「日本の戯曲研修部アーカイブ」は、日本演出者協会が主催する「日本の戯曲研修セミナー」で取り上げた戯曲や劇作家を中心に、セミナーコンテンツや周辺情報をまとめたアーカイブです。未来の演出家や演劇人に向けて、有益かつ論争的な場となることを目的としています。
飯沢匡(いいざわただす)
(1909年~1994年)劇作家、作家、ジャーナリスト。朝日新聞社入社後、勤務の傍ら風刺喜劇を執筆。戦後はアサヒグラフ編集長として初めて原爆被害の実相を発表。1954年退社後は、文学座、劇団NLT、劇団民藝、青年劇場などの劇団に多くの劇作を提供、演出するとともに、NHKの「お母さんといっしょ」の中で「ブーフーウー」など優れた児童向け人形劇を執筆制作。岸田演劇賞、読売文学賞、斎田喬戯曲賞、小野宮吉戯曲平和賞、紀伊國屋演劇賞、毎日芸術賞、その他受賞多数。本名は伊澤紀(いざわただす)で、警視総監・貴族院議員・台湾総督を歴任した官僚政治家・伊澤多喜男の次男。『飯沢匡喜劇全集』全6巻(三一書房)、『武器としての笑い』(岩波新書)など著書多数。
日本の戯曲研修セミナー @オンライン2024
飯沢匡『もう一人のヒト』を読む!
2023年11月7日(火)・11月17日(火)〜19日(日)(全4回)
社会派と呼ばれる演劇がある。飯沢匡は、その社会派であり、そして紛れもなく喜劇作家であったと言える。ジャーナリストであり、優れた児童向け人形劇の制作者であったこの作家は、70 歳近くになっても代表作となる喜劇作品を発表し続けた。「笑いという有効な武器をとうの昔に捨てた―いや捨てさせられた国民が日本人なのではないか」『武器としての笑い』飯沢匡 著(岩波新書)今、政治不信は極まり、エンターテイメントは過去に類がないほど多様化している。こんな時代に、「喜劇」はどんな意味を持つのか。セミナーでは、作者の稀有なプロフィールを辿り、傑作喜劇『もう一人のヒト』を声に出して読みながら、全体でディスカッションを行った。 演劇は「笑い」と「社会」とどう向き合っていけるのか、考え、実践した会となった。
・セミナーの報告
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戯曲情報
『もう一人のヒト』は『飯沢匡喜劇全集〈3〉』(未来社)に所収されております。