2024.8.10
コロナ以前、そして今

コラム

誘われて広報部員になったのは2018年でした。紙媒体だった広報誌『D』の第21号から第24号までの編集に携わりました。今、このweb上では『D』の全ページを見ることができますが、ゲラ稿の表紙から裏表紙まで、すみずみまで舐めるように誤字脱字を探した号には、懐かしさと愛着を感じます。

年2冊ずつ、順調だった刊行のペースが乱れたのは、結局最終号となってしまった2020年7月発行の第24号。3月から本格化したコロナ禍の混乱の中、2か月遅れでの刊行でした。オンラインでの編集会議を重ねながら続く第25号の発行へ向けた作業も進められ、あるページでは通常の企画記事を取り止めて、前年起こった「あいちトリエンナーレ2019」の問題を取り上げる計画もあったと記憶しますが、これも刊行予定の日を過ぎるままにwebへの移行となり、広報誌『D』は廃刊となりました。

web版への移行にともなって、『D』のために執筆をお願いし、お預かりしていた「演劇大学」報告記事の原稿のいくつかが長い間行き場を失っていました。現在それらは協会HPに掲載されています。関係者の皆様にはながらくお待たせしてしまったことを、この場を借りてお詫び申し上げます。 現在も広報部会はリモートで行われています。かつてそれぞれに忙しい時間をやりくりして新宿の喫茶店に集まり、コーヒーをすすりながら打ち合わせをしていた頃が懐かしくさえあります。議題の前後や、時に打ち合わせの最中に脱線して雑談に花咲かせたあの時間。何とも豊かだったなあ。先輩後輩の垣根をこえたあの雑談の中にたくさんのアイディアが隠れていたような気がしてなりません。

またまた方々から公演中止の知らせが聞こえてくるようになりました。感染症は今何度目の波の中にあるのでしょう。先週始まった私の稽古場でも、マスク着用のまま稽古するよう指示が出ています。とはいえこの酷暑の中ですが……
みなさまどうぞ、ご自愛くださいますように。

冨士川正美


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