40を越えて
コラム
25歳で演出者協会の一員に混ぜて頂いてから、16年という月日が経っている。これまで、広報部は勿論の事、岐阜のキャンプや戯曲セミナー、国際部など様々な企画に参加しては学ばせていただき、縁を広げる機会をいただいた。当初は、自分の事ばかり頭の中にあったからか、如何にして自分が成長できるか? ただそれだけを考えていたかも知れない。しかし、40歳を越えてある事に気づき始めた。それは、演出家や俳優の認知度の向上や労働環境の改善等々がこの数十年どう変わって来たのか? もしかしたら変わって無いのかも知れない。
例えば、アーティストに免許があっても構わないし、ランクがあっても良い。その方が見る人にとっては分かりやすい事が多くなる。それによって新たな創客を生むことが出来るかも知れない。子育てと仕事のバランスについては未だ悲惨な状況が続くし、この事だけでも書ききれない。アーティストの育児休暇はどうやって取れば良いのか? 何十年変わっていない事の1つだろう。単発の仕事でも特別高額な賃金をいただく事はなく、世間のアルバイトのような賃金をいただく事の方が多く、保険と年金は自分で払い、ボーナスを貰う事もない。そりゃ、若い世代が魅力を感じないわけだ。
愚痴では無く、1つ1つを未来のためにどう改善していけるか? 演出者協会を通して私自身の次の16年をどう生きるかを考えたい。演劇は、今でも大切な自己表現の1つである事に変わりはない。
桒原秀一