演出家・俳優養成セミナー2022演劇大学IN大阪 広報部《D》報告
開催スケジュール、講座と講師
【A】2023年1月13日(金)~1月15日(日)
3日間で公演をつくる-演技・演出ワークショップ
講師:シライケイタ
【B】2023年2月4日(土)~2月5日(日)
落語&演劇 講座
講師:桂九雀
開催場所:ドーンセンター
今年は昨年に引き続きシライケイタ氏と桂九雀氏に講師を依頼しました。昨年はオンライン講座であったために満足なレクチャーを得ることができなかったので、本年は対面での講座としました。シライ講座は3日間連続講座で参加者は23人×3日間=69人。桂九雀講座は2日間4講座で36人の受講者がありました。いずれの講座も受講者の満足度は高く、次年度も同じ講師で開催してほしいという要望が多かったです。
シライ講座では受講者たちが講座への興味がより深まるように「受講者本人が選んだ題材」をもとにしてテキスト台本を作成し、それを使用してワークショップを実施しました。3日間のワークショップで6つのグループが稽古した成果を発表しましたが、いずれの発表も稽古期間が3日とは思えないような内容であり受講者たちも充実した表情をしていました。
桂九雀講座は「落語を演劇にしてみよう」と「演劇を落語にしてみよう」の2種類の講座を実施しました。一人で演じる落語=一人で演じるということが大前提の表現法によって、男性か女性か、人間かそうでないか、現実か幻想かなど、あらゆる概念を越境しての表現を、観客と共有しやすいという点があることを学びました。また、桂九雀講座では落語を演じるための「演台」を持ち込み、そこに座って受講者が落語を演じ、また、より雰囲気を高めるために講師助手が「三味線」を演奏して、出囃子や、落語中の効果音なども挿入して落語を演じることを楽しめるようにしました。
講座を通じて、九雀氏は、落語は話し方も小道具の扱い方も「お客さんからどう見えているか」を常に意識することが重要、一方でシライ氏は、演劇は「相手役の気持ちをどう動かすか」が重要と強調していました。このように、落語と演劇で、表現対象へのアプローチも全く異なることに気がつき、シライ氏のワークショップから続けて受講している受講者もいて、より深い学びを得られる機会になったと思います。
報告:木嶋茂雄
(演劇大学 IN大阪2022 実行委員長)